道はフラットだけど直線というほどまっすぐでもない。けど…ペース、速い（汗）いきなり50km/hくらい。普段日本の林道で20-30km/h以上出したことのない私には考えられないスピード。前の二人とはどんどん離れていく。最初はがんばっていたけど、途中から無理はやめようと少しペースを落とした。後のみっきーとマナベさんはぴったりくっついてきている。んー、遅すぎるかな。でも転んで怪我して迷惑かけるよりいいかと自分に言い聞かす。
道は一応草原とは区別できる程度なんだけど時々なんとなく枝分かれしている。けどすぐにその後合流する。みんな自分の好きな枝道に入りまた合流する。気ままに走れていい。私はなるべく走りやすそうな方を選んでいるつもりなんだけどたまにはまったりする（^^;
（←こんな草原がどこまでも続く 撮影モリタさん）
しばらく走っているうちにふとミラーを見ると後がいない。あれ？もしかして何かあったのかと思っているとだいぶ右にみっきーが見えた。さっきの枝道で私と違う道を選んだらしい。別に気にもせず走っていたのだけど、なかなか合流しない。気がつくと１ｋｍ以上（もっと？）離れているようで、どうにか肉眼で確認できる程度。それでもそれほど不安感はなかったのだけど、さらに走ったところで先頭のモリタさんが止まっていた。分岐らしい。けどモリタさんと私の間にいたまっちゃんがいない。あれ？しばらく待つと最後尾のマナベさんが到着。あれれ？みっきーは？
マナベさん「いやー転倒しちゃいました」え！？確かに見るとマナベさんのジャケットは砂まみれ。「大丈夫ですか！？」一応走ってきているので大丈夫そうではあるけど…。
マナ「大丈夫、大丈夫。ちょっと居眠りしちゃって…」
モリタさん・ちっち「ええっ！？」
転倒より居眠りの方が驚く（^^; だってアクセルあけてれば走れるような道じゃないのに…。
マナ「寝不足だったから」い、いや、それにしても（汗）
そうこうしているうちにみっきー到着。どうやらさっきの道も分岐だったらしく後から来ていたサポートカーに注意されて戻ってきたという。じゃあまっちゃんは？実は私も既にその分岐のところで前の二人の後姿すら見えず適当に選んだ道がたまたまあっていただけだったのだ。もしかしたら自分が迷子になっていたかもしれなかった。うーん、モンゴル、結構走るの大変。さっきの分岐も分岐っていうよりそれまでの別れてすぐ戻る道かと思っていたのに。
サポートカーも２台とも来たけどやっぱりまっちゃんは来ない。結局みんなは一台のサポートカーと先行して、もう一台の車がまっちゃんを探しに行くことになった。
先行組は少し行った町のすぐ横の草原でランチタイム。準備しているうちにまっちゃん到着。よかった、よかった。
昼食は朝作ってランチボックスにつめてあるようでそれを渡される。が、なぜか私のサンドイッチには具がない（^^; ガイドさんに言うと「ごめんねー」と言いながらハムとチーズをはさんでくれた。
（ランチ中。チキンにかぶりついてます（私） 撮影モリタさん→）
町のそばには一応トイレがある。深い穴が掘ってありそこに板を渡して、まわりを木で囲った簡単なもの。屋根もあるけど結構すかすか。でも何もないよりは全然いい。みっきーが「この足元の板が落ちたら…」って言ってたけど確かにそれは考えたくないね（^^;
ここでメーターチェックをするのだけどなぜかモリタさんと私のメーターはほとんど変わらないのに、他のみんなのメーターはかなり（この時点で５０くらいだったかな？）少ない。みんな「そんなに走ってないからこっちがあってるよー」と言う。がーん、まだこれだけしか走ってないのか。先は長いなぁ。
さてここでガソリンをいれると再出発。相変わらずの高速走行。後につかれると緊張するのでマナベさん、みっきーに先に行ってもらう。今後ほとんどこの順番で走った。
走り出してすぐくらいに砂でふかふかの場所があった。１０ｍくらいだけどハンドルをとられる。明日の砂漠のコースはこんなのばっかりなのかな。ちょっと不安。
それにしても路面がふかふかじゃなくても砂は多い。というか速度が出ているので砂埃がすごい。休憩でメットをとると顔に砂絵の具の模様が（^^;
ふいてもどうせすぐまた真っ白になるのでまともにふきもしなくなってしまった。
私は布製のディバッグをリアシートにくくりつけていたんだけど、走り始めて１時間もしないうちに色が変わってしまった。突然の雨対策にリュックの中に大き目のビニール袋を入れてその中に物を入れていたけど、翌日からそのビニール袋を外側にすることにした。
さっきの迷子事件もあったので先頭も少しペースを落としてくれている。
が、急に路面状態が悪くなる。砂が多くなりハンドルをとられる。ひー。
砂のところではギアは高め、フロントの過重を抜き、アクセルを開けて通る。ハンドルは押さえ込まないこと。
実はそういう理屈は前から知っていた。けどもちろん砂の経験なんてほとんどないし、パニックになると考えた通りには出来ない。
一瞬かと思った砂が思ったより続き、なんとか通りすぎたと思ったとたん今度は大きな溝ができている。げげっ。と思う間もなく転倒。スピードは出ていないので転倒というよりは立ちゴケ。うーん、ちょっと溝が深すぎて出ようとするとまたこけるかも。と思っているとサポートカーからスタッフの人がきてとりあえず溝から出してくれた。で、「あっちの方が走りやすいですから」と言う。さっき選んだ枝道の一つ。道じゃないところを横切ってその枝道に行くと全然走りやすい。こっちが本線だったのかな。ああ、疲れた…
また走りやすい道に戻り快適走行。
割と近い位置にゲルが見える。
読んだツーレポのうち走行中に犬に追いかけられる話がいくつかあった。その犬というのはゲルにいるらしい。ちょっとどきどき…え？
「ぎゃーーーーーーーっ」
（←こんな感じ。これは町の犬だけどゲルの犬はもう一回り大きくて毛も長くたくましい顔をしている）
ほんとに追ってくるよーー！！大体遊牧民の人も犬も先頭が通る時に気付き、出てくる頃には最後尾が通っている。つまりターゲットは私。
そこを過ぎたところが分岐になっており前の４人は止まっている。けど、犬に追われた私はそのまま逃げる。路面のギャップにハンドル取られるけどここでこけたら犬の餌食（には多分ならないけど）。必死で逃げると犬は縄張りを超えたのか戻っていってしまった。
みんなのところに戻ると「すごい勢いで逃げてたねー（笑）」
いや、まじで怖かったんだって(;_;) 昨日から私が犬がコワイと聞いていたみっきーも「本当においかけてきたね(^^)」。ほ、ほんとうに怖かったんだってばー(T_T)
どうやら犬は動くものを追ってくるようでその後のゲルで犬を発見してすぐに速度を落として止まったら近寄ってこなかったんだよね。その後こわごわ発進してきたけどその時も大丈夫。というか私がおびえすぎなのかも。けど帰ってきてからモンゴルで買った案内本を読んでいたら「噛む犬もいる」って書いてあった。ひー。
その後もハイペース走行は続きちょっと休憩にとモリタさんが止まってくれていて、最後尾の私が到着して一息ついていたら「モリタさーん、時間がないから行きましょう」と追いついたサポートカーからギンさんが。ががーん。休ませてよー。
モンゴルの日暮れは遅い。暗くなるのは夜の１０時頃。もしかして９時とかまで走るの？「そんなことないですヨ。７時半くらいです」それでも７時半か…。私のメーターは既に３００に近い。今日の予定は３００ｋｍだけどどうもメーターのまわりがみんなと違う。みんなのメーターだと２００くらい。さっきの砂場でかなり体力使って疲れてきた…。
あと２０ｋｍくらいでキャンプ場という頃、向こうの方の空が暗くなっている。明らかに雨雲。ツーリングに出ると天気に関する感覚はするどくなる。空気が湿度を含んでくるのも肌で感じる。これは完全にやばい雰囲気。道が雲をそれてくれるといいんだけど…。
願いもむなしくどんどん雨雲接近。え！？あ、あれって稲光じゃないの？びっくりしてアクセルが戻る。気にしながら見ているとやはり稲妻！こ、こんな何にもない草原でキャンプしていいの？（滝汗）
かなりブルーになりながら走っていると突然フロントまわりから何かが飛んだ。ヘッドライトまわりのカウル（っていうのか？）が取れた！うわー、どうしよう。放っておいたらサポートカーが拾ってくれるかな。でもやっぱり止まった方が…。迷って後を気にしていたら轍の真ん中部分に乗り上げバランスを崩し転倒。これはまともにこけた。転びながら「オフでこんな速度（60km/h）で転倒していいのか！？」と自分に問い掛けていた（^^; とくに怪我もした様子がなく立ちあがるとバイクを起こしカウルをとりに戻る。そこへサポートカー。事情を話すと「僕が代わりに乗っていきますから」とギンさん。でも確かキャンプ場まではあと１０ｋｍ。最後まで自分で走りたいと思ったけど「疲れが出たのかも」と言われてこれ以上何かあっても申し訳ないと思いサポートカーへ。
はぁ。なんかやっぱりこの速度でこれだけのダートを走るのは確かに疲れた。
それにしてもこの雷。まだ雨は降らないけどほんとにキャンプしていいんだろうか。
ギンさんはスニーカーにGパン、普通の帽子という格好で走っている。もちろんゆっくりだけど。その後を車でついていたら、なんとまた犬が！ギンさんが追いかけられている（^^; よかったー代わってもらって（ぉぃ） でもサポートカーのドライバーさんは事も無げにスピードを緩め犬に向かって何か声をかけている。犬も別にほえかかるわけでもなくおとなしくしてる。やっぱり怖がりすぎがいけないのかな。ただじゃれたくて追いかけてるだけかもしれない（と思うことにした）
数キロで本日のキャンプ地。キャンプ場というものではなく適当に草原の中。サポートカーが場所を決める。既に自分達の上空も雨雲。稲妻もかなり近い位置に見える…。ドライバーさんが「ここ」と言った場所はゆるい岡に囲まれた場所。雨、たまらないんだろうか。
（翌朝撮ったキャンプ地。前日の雨がうそのよう。→）
モリタさん「ギンさん、雷大丈夫？」
ギンさん「大丈夫ですヨ」
ほ、ほんとに？（^^;
モ「雨も降らない？」
ギ「うーん、それは…（悩）」
まぁそればっかりはね。とにかく急いでテントをたてる。たて終わって荷物も収めたところで雨！わー、やっぱり降ってきたけど、今でよかった。
テントの中に逃げ込むと激しい風と雨。これでは外でみんなでまったりなんて全然できない。それどころか食事どうするんだろう。なんか疲れてあんまり食欲もないけど。と思っていたら「ごはんですよー」とテントを叩く声。驚いてテントをあけるとランチボックスに入った食事が。この雨風の中でどうやって料理したんだろう。不思議だったけど、ありがたく頂く。麺（うどんっぽい）の入ったスープが美味しい。けど量は食べられない。おかずを少し残したけど果物はビタミン摂取のためと思って全部食べた。食後のコーヒーまで運んでくれる。ありがたい。
その後も雨風はやまずずっとテントの中に。しかもすごい風。ペグは打ったけどテントごと飛びそう。でも動く気力もなくテントでごろごろしていると車が移動する音が。どうやらテントを風から守る位置に移動してくれたらしい。しかも私のテントのペグを打ちなおしたりしてくれている。本当にスタッフの方ありがとう。
この日はそのまま就寝。ああ、疲れた…
あれ？なに？
夜中に目を覚ます。い、いたい？うわ、やば。
いきなりお腹にかなり激しい痛み。まずい。果物がいけなかったかな。
時計を見ると午前２時。まだ風は吹いているし雨の音もする。
うーん、この痛みはやばいな。
もう一度目を閉じるけど何度も痛みで目を覚ます。これは翌日大変かもしれない…
ホテルからバイクのおいてある倉庫（？）へバスで移動。いよいよ今日から走る。いい天気。
そこを過ぎて５ｋｍくらいだったかな。何気なく車が草原へのダートに入っていく。休憩かなと思っていると「じゃあここから走ってください」ええ！？「バイクの方が速いですから車は後ろから行きます。分岐があったら止まっていてください。写真などは適当に止まって撮っていいです」へ、へぇ。そういうものなんだ。とりあえずモリタさんが先頭、まっちゃんが２番手、私が３番、みっきーが４番、マナベさんが５番目という順番で走り出した。先頭は適当に代わろうと言っていたのだけどペース的にも私には全然無理だったので最後までモリタさんが先頭を走ってくれた。モリタさんありがとう。